パナマに来ています。そして、パナマに来たら、パナマ運河に行くしかないということで行ってみました。

パナマ運河の歴史は長く、スペインが植民地化した頃にはその構想はあったようですが、本格的に着手されたのはパナマの1903年の独立後、アメリカ主導で運河開発が進められ、1914年に完成しました。その後も拡張を繰り返していますが、完成からは100年以上経ったことになります。写真は閘門、この過程を経て船が海面26mの高さまで持ち上げられます。

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予想以上に、迫力があって面白かったのですが、それ以上に驚いたのはその料金の高さ。コンテナをたくさん積んだでかい船が通ると、300,000ドル(約3600万円)以上も徴収するらしいのです。1トンあたり1.39ドルの従量課金で、船の大型化に伴い、単価が高くなっています。

帰って財務諸表を見てみると、さらにびっくり。

売上:3150億円
利益:1590億円(50%) *1

 

金額もそうですが、そのほぼ全てを外貨として稼いでおり、コストの6割以上が人件費で、国内に雇用を創出しています。また、給与と手当てを社員数(約1万名)で割ると、630万円/人、途上国とは思えない人件費単価です。そして、やっているのは関門の開閉や運河のメンテナンス。巨大な装置産業なのに、減価償却費は微々たる額でコストの10%以下です。まぁ、100年以上前に誕生した装置なので減価償却が終わっていても全く不思議ではないですが。

それ以外にも、パナマの港で宿泊施設、物資、サービスが提供されており、船舶の修理用のドックなども付随する事業として好況です。関門の開閉を見ることができるビジターセンターも観光名所化しており、ぱっと見ただけでも1000人はいました。ちなみにひとり$15。

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海外の船からしても、パタゴニアの南のマゼラン海峡まで大回りすることを考えると時間もお金も省くことができます。ニューオリーンズから横浜だと46→25日と約半分にまで日程を短縮できるそうです。*2

パナマとしても100年たっても利益が出続ける。(そういう構想で作ったものだとは思いませんが・・。)

パナマに来て意外と良かったのが、ガソリンとビールが安いこと。ほとんど税金がないんだと思います。スーパーにはびっくりするくらい豊富な種類のビールが並んでおり、ベルギーのビールがベルギーよりも安く買えると言うことでした。ここの人たちは、外貨が手に入るので、いろんなものを輸入してのんびり暮らしています。

 

これこそ、自分たちの優位性を生かした戦略的な事業という感じですね。仕事を考える際には、あくせく働く前によく考えることが重要だと思いました。

 

ただ、営業利益が1500億の会社はどのくらいあるんだろうと調べてみたところ日本には50社以上ありました。*3(今年は、景気良いみたいですね。)やっぱり、日本は経済大国ですね。

ちなみに、パナマ運河はどのくらいすごいのかという質問に対する答えは、財務的には「ヤフーのちょっと下くらい」ですね。*4
FY2014で売上が4284億、営業利益が1972億でヤフーの方が30%くらい大きいです。インターネットの広告やオークション事業の会社ですね。そう考えるとインターネットの世界は、画面でしか見えないですが、パナマ運河よりも壮大なんですね。

タナカマコト

 

*1:数字はすべてFY2014実績を 1USD = 120円で換算
データは以下のAnnual reportより
https://www.pancanal.com/eng/general/reporte-anual/2014/pdf/annual-report-2014.pdf
*2:http://www.embassyofpanamainjapan.org/jp/canal/why/
*3:http://www.nikkei.com/markets/ranking/keiei/eigyo.aspx
*4:ぱっと探した感じです。もっと近いものがあるかもしれません。